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介護の有効求人倍率はいま何倍?——最新値3.61倍(令和8年5月)と、この3年の推移

「介護の有効求人倍率は、いま何倍なのか」。その数字を最短で確認できるように、このページを作りました。わたしは介護職の転職サポートの仕事をしていて、毎月末に厚生労働省が公表する「一般職業紹介状況」を、公表のたびに開いて読んでいます。ここに載せるのは、その一次資料の最新値と、この3年の推移だけ。数字が更新されたら、この記事も更新していきます。

先に結論介護の有効求人倍率の最新値は3.61倍(令和8年5月分・介護サービス職業従事者、パートを含む常用)。同じ集計の全職業0.99倍に対し、3.6倍を超える水準です。求職者1人に求人が約3.6件ある計算で、年平均で見てもこの3年は3.8〜3.9倍前後の高止まりが続いています。

最新値——令和8年5月分は3.61倍

直近の公表分(令和8年5月分、2026年6月30日公表)で、介護の有効求人倍率は3.61倍。全職業(職業計)の0.99倍と比べると、開きは3.6倍を超えます。区分ごとの数字を並べます。

区分有効求人倍率前年同月との差
介護サービス職業従事者3.61倍−0.08ポイント
介護関係職種3.68倍
職業計(全職業)0.99倍−0.06ポイント

※厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年5月分)」参考統計表7-1・7-2(職業別・常用(パート含む)・原数値)および長期時系列表 第21表-7より。「介護関係職種」は介護サービス職業従事者に、福祉施設指導専門員・その他の社会福祉専門職業従事者・家政婦(夫)、家事手伝いを加えた集計区分(第21表 注2)。

3.61倍の中身は、有効求人19万6,063人分に対して、有効求職者5万4,275人。単純に割ると、求職者1人あたり求人約3.6件です。さらに、その月に新しく出た求人だけで見る新規求人倍率は6.27倍
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年5月分)」参考統計表7-1(職業別・常用(パート含む))

この「約3.6件」は、賞味期限の切れかけた古い求人の在庫ではありません。新規求人倍率が6.27倍——つまり5月のひと月だけで新しい求人が6万8,181人分出て、新しく仕事を探し始めた人は1万867人。いま出たばかりの求人ベースだと、開きはもっと大きいのです。介護の求人市場は、量だけでなく回転も速い市場だと読めます。

ニュースの「1.17倍」と数字が合わない理由

先に直答すると、ニュースの1.17倍は「全職業・季節調整値」、この記事の3.61倍は「介護の職業別・原数値」で、集計の土俵が違う数字です。どちらも同じ公表資料に載っています。

毎月のニュースが見出しにする「有効求人倍率1.17倍」は、全職業をまとめて季節の波をならした値。一方、職業別の数字は季節調整をしていない原数値でしか公表されません。だから介護の3.61倍を比べる相手は、1.17倍ではなく、同じ原数値の職業計0.99倍。ここを取り違えると「介護は全体の3倍くらい」と過小に見積もったり、逆に別々の月の数字を混ぜたりしてしまいます。検索で出てくる数字がバラバラに見えるときは、まず「全職業か職業別か」「季節調整値か原数値か」の2点を確かめてください。

推移——年平均は3年間「3.8〜4倍前後」で高止まり

次に推移です。年平均で見ると、介護はこの3年、ほぼ動いていません。

区分令和5年令和6年令和7年
介護サービス職業従事者3.78倍3.89倍3.88倍
介護関係職種4.02倍4.07倍4.03倍
職業計(全職業)1.19倍1.14倍1.12倍

※厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」長期時系列表 第21表-7「職業別有効求人倍率(パートタイムを含む常用)」年平均より。

見てほしいのは、介護の行ではなく全職業との開きのほうです。全職業は1.19倍→1.12倍と少しずつ下がっているのに、介護サービス職業従事者は3.78倍→3.88倍。割り算すると、開きは令和5年の約3.2倍から令和7年には約3.5倍へ、むしろ広がっています。世の中全体の求人が落ち着いてきても、介護の人材需要はほとんど連動して下がらない——推移が示すのは、この「構造的な傾き」です。なぜ介護だけこれほど高いのかという背景は、倍率の意味と読み方を整理した記事で詳しく書いています。

月ごとの波——直近13か月は「12月が山、4月が谷」

月次で見ると、直近13か月では2025年12月の4.10倍が最も高く、2026年4月の3.51倍が最も低い数字でした。倍率は一直線ではなく、季節で波打ちます。

年月介護サービス職業従事者職業計(参考)
2025年5月3.69倍1.05倍
2025年6月3.76倍1.05倍
2025年7月3.88倍1.09倍
2025年8月3.94倍1.09倍
2025年9月3.90倍1.10倍
2025年10月3.93倍1.10倍
2025年11月3.96倍1.12倍
2025年12月4.10倍1.17倍
2026年1月3.91倍1.14倍
2026年2月3.78倍1.13倍
2026年3月3.63倍1.10倍
2026年4月3.51倍1.02倍
2026年5月3.61倍0.99倍

※厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」長期時系列表 第21表-7(パートタイムを含む常用・原数値)より。

前年の2025年も、春(4月3.65倍・5月3.69倍)が低く、年末にかけて高くなる形は同じでした。年度の切り替わりは仕事を探し始める人が増える時期で、倍率の谷になりやすい——このリズムを知っていると、「先月より下がった」という一報に必要以上に反応せずに済みます。直近の3.61倍は前年同月より0.08ポイント低い数字ですが、職業計も1.05倍→0.99倍と下がっており、介護だけが冷え込んだわけではありません。

執筆者ノエル
💡 ノエルの着眼点|「下がった」の中身は、分母と分子に分けて読む
倍率の増減だけ見ても、市場で何が起きたかは分かりません。割り算の上と下を確かめます。

前年同月比の表には、倍率の「差」だけでなく、分子と分母それぞれの増減が載っています。令和8年5月の介護サービス職業従事者は、有効求人が−3.0%、有効求職者が−0.9%。つまり今回の低下は、仕事を探すライバルが増えたからではなく、求人の側が先に減ったことによるものです。求職者1人に約3.6件という構図そのものは崩れていません。転職サポートの実務で言えば、この違いは動き方に直結します。求職者が急増しての倍率低下なら「早い者勝ち」の圧力が強まりますが、求人側の減少なら、慌てて質を妥協する理由にはならない。倍率のニュースを見たら、上がった・下がったの前に「どちらが動いたのか」——資料の前年同月比の欄まで開いて確かめるのが、いちばん確実な読み方です。

ここは中立に。この統計はハローワークで受け付けた求人・求職だけを集計したもので、民間の求人サイトや直接応募は含みません。また全国・原数値の平均なので、地域や施設形態によって実際の数字は大きく振れます。そして何より、倍率の高さは「良い職場が多い」ことを保証しません。3.61倍が教えてくれるのは「選べる余地がある」ことまで。選んだ先の質は、求人票と職場を個別に見て判断する話です。人手不足の構造的な背景は「辞める人は減っているのに足りない」を整理した記事もあわせてどうぞ。

よくある質問

Q. 介護の有効求人倍率の最新値はいくつですか?
A. 3.61倍です(令和8年5月分・介護サービス職業従事者・パートを含む常用・原数値)。より広い集計区分の「介護関係職種」では3.68倍です。
Q. 有効求人倍率と新規求人倍率はどう違いますか?
A. 有効求人倍率は、その月に有効な求人・求職(前月からの繰り越し分を含む)の割り算です。新規求人倍率は、その月に新しく出た求人と新しく申し込んだ求職だけで計算します。介護は有効3.61倍に対し新規6.27倍(令和8年5月分)で、新しい求人の流入が多い市場です。
Q. この数字はいつ更新されますか?
A. 厚生労働省が原則毎月末に前月分を公表します(令和8年5月分は6月30日公表)。この記事も公表に合わせて数値を更新していく予定です。

最後に

介護の有効求人倍率は、最新の令和8年5月分で3.61倍。年平均では3年間3.8〜3.9倍前後の高止まりが続き、全職業との開きはむしろ広がっています。月ごとの上下は季節の波が大きいので、単月の増減で一喜一憂する必要はありません。数字の使い方はシンプルで、「選べる余地がある」という前提を手元に置いて、目の前の求人票を落ち着いて見比べること。次の公表が出たら、このページの数字も差し替えます。

参考データ(出典)
・厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年5月分)」(令和8年6月30日公表)参考統計表7-1・7-2 職業別一般職業紹介状況[実数](常用(含パート))——最新値3.61倍・有効求人19万6,063人分・有効求職者5万4,275人・新規求人倍率6.27倍・前年同月比(有効求人−3.0%/有効求職−0.9%)
・同 報道発表資料——全職業の有効求人倍率1.17倍(季節調整値)
・厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」長期時系列表 第21表-7「職業別有効求人倍率(パートタイムを含む常用)」——年平均(令和5〜7年)・月次推移(2025年5月〜2026年5月)・「介護関係職種」の定義(注2)
※本文中の数値は上記公的資料に基づく概況です。有効求人倍率はハローワーク取扱分の全国・原数値であり、地域・時期・職種区分により異なります。最新の詳細は各公式資料をご確認ください。