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働き方

介護の働き方の違い|派遣・正社員・パート・単発、後悔しない選び方をデータで解説

「派遣と正社員、結局どっちが得なんだろう」——介護の求人を眺めていて、そこで手が止まった人に向けて書いています。わたしは介護職の転職サポートの仕事をしていて、働き方選びで迷う人、そして選んだあとに「こんなはずじゃなかった」となる人を日々見ています。看護師の母のそばで現場の話を聞いて育ったので、きれいごとも過酷さも、両方を前提に話せます。ここでは厚生労働省の数字を使いながら、できるだけフラットに整理していきます。

先に結論働き方に「上位互換」はありません。派遣・正社員・パート・単発は、①生活リズム ②体力 ③お金——この3つのうち、自分が今いちばん守りたいものから逆算して選ぶ。それだけです。そして今は、その選択肢がかつてなく広がっている時期でもあります。

4つの働き方、違いは「給料の額」じゃない

まず大前提を一つ。派遣・正社員・パート・単発の本当の違いは、給料の高い低いではありません。「安定と自由のどちらを、どれだけ差し出すか」の交換条件が違う、というのが正しい見方です。給料が高い働き方は、たいてい何かを差し出しています。逆もまた然り。まずはその交換の中身を、一枚で見てください。

収入の安定自由度背負う責任
正社員高い(月給・賞与)低め広い(記録・委員会・新人指導など)
派遣中(時給は高めの傾向)中〜高限定されやすい
パート中〜低(時間しだい)高い(曜日・時間を選べる)比較的狭い
単発低い(その日ごと)最も高いその日限りの補助業務が中心

※あくまで一般的な傾向です。施設形態・地域・事業者によって中身は変わります。

表の右側、「背負う責任」の列に注目してほしいんです。正社員の給料が高いのは、単に雇用形態のせいではなく、記録や委員会、新人の指導といった時給に見えない仕事を引き受けているからですよね。逆に単発の自由さは、「その日だけ」という不安定さと引き換えに成り立っている。つまり給料の数字だけを横に並べて比べても、実はあまり意味がない。見るべきは「自分は何なら差し出せて、何は絶対に譲れないか」のほうなんです。

なぜ今、「選ぶ側」はあなたなのか

ここからが、この記事でいちばん伝えたい話です。介護の仕事は「きつい・安い」という古いイメージで語られがちですが、少なくとも求職者の立場という一点に限れば、状況はかなり変わってきています。しかもそれは、雰囲気の話ではなく数字で裏づけられる変化なんです。理由を2つ、順番に見ていきます。

求人4件に対して、あなたは1人

厚生労働省が毎月出している「一般職業紹介状況」を見ると、介護サービス職の有効求人倍率は、全職業の平均(おおむね1.2倍前後)を大きく引き離して、3〜4倍台で推移しています。求職者1人に対して求人が3〜4件ある、という意味です。

介護サービス職の有効求人倍率は 約3〜4倍(全職業平均は約1.2倍)。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」

この数字、施設の経営者から見れば「人が採れない」という頭の痛い話です。でも、探しているあなたの側から読み替えると、意味は正反対になります。4枚のカードから1枚を選べる立場にいる、ということですから。「採用されるだろうか」と身構えるより、「どの職場が自分の条件に合うか」を吟味していい。この倍率が続いているうちは、焦って1件目に飛びつく必要はない、というのが現実だと思っておいてください。

「介護は安い」は、もう更新が必要な情報です

賃金についても、古い前提のままの人が多い領域です。2024年6月、介護職員向けに分かれていた3つの加算が「介護職員等処遇改善加算」として一本化され、加算率も引き上げられました。国は2024年度に2.5%、2025年度に2.0%のベースアップにつながることを目標に掲げています。

数字でも変化は出ています。厚生労働省の「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」によると、加算を取得している事業所では、常勤の介護職員の基本給などが前年より月額でおよそ11,000円、平均給与額でみるとおよそ14,000円上がったと報告されています。月1万円強という数字を「たった」と読むか「毎月」と読むかで、印象はずいぶん変わるのではないでしょうか。年間にすればボーナス一回分に近い差になります。

そして見落とされがちなのが、これは正社員だけの話ではないという点です。加算で得た原資をどう配分するかは事業所ごとの判断ですが、制度のうえではパートや派遣も対象になり得ます。「非正規だから待遇改善の恩恵は関係ない」——これは、かなり多くの人が信じてしまっている誤解です。今後も報酬改定など待遇面の制度動向は続いていくため、最新の情報は厚生労働省の公表資料で確認するのがおすすめです。

執筆者ノエル
💡 ノエルの着眼点|求人票の「加算Ⅰ」は、優良施設のサインになる
求人票の言葉をそのまま受け取らず、制度の裏に隠されたシグナルを読み解くのが私の仕事です。

ここで転職サポートの現場からの目線を一つ。この処遇改善加算は、施設が「キャリアパスを整えている」「職場環境の改善に取り組んでいる」といった要件を満たして、はじめて受け取れる仕組みです。つまり上位区分(加算Ⅰなど)を取得している施設は、昇給の仕組みや研修体制を整えている可能性が高い。求人票や施設の情報公表に「処遇改善加算(Ⅰ)取得」と書いてあれば、それは「アットホームな職場です」の百倍あてになるシグナルです。感情に訴える言葉より、こういう制度の裏づけがある記載を拾うクセをつけると、求人票の解像度が一気に上がりますよ。

結局どれを選ぶ?——「守りたいもの」から逆算する

データの話が続いたので、ここで一気に実践に落とします。冒頭で書いた3つの軸、「生活・体力・お金」。この順に、自分がいちばん守りたいものはどれかを考えてみてください。全部を満たす完璧な働き方は存在しません。だからこそ、優先順位をつけるほど答えは早く出ます。

「時間が足りない」人へ

子育てや家庭で使える時間が限られているなら、素直にパートか派遣です。曜日と時間を選びやすく、日勤のみの求人も見つかります。「都合のいい日だけ」に振り切れるなら単発も手。時間の自由は、この2〜3択でかなり守れます。

「体がしんどい」「夜勤が怖い」人へ

体力に不安がある、夜勤は避けたい——そういう希望も、今なら通しやすい。日勤中心のパートや、施設形態を選べる派遣が向いています。逆に、体力に自信があって出勤日数を抑えつつ稼ぎたいなら、夜勤専従という選び方もある。ただし、ここは正直に言っておかないとフェアじゃないので書きます。

ここは中立に。正社員は収入とキャリアが安定する代わりに、夜勤・記録・委員会・新人指導と、背負うものが確実に増えます。一方で単発や派遣は自由なぶん、賞与や退職金といった福利厚生、そして「来月も仕事がある」という継続性が弱いことがある。自由と安定は、残念ながらトレードオフです。ここを直視せずに選ぶと、あとで「こんなはずじゃなかった」になりやすい。

お金で選ぶなら、正直に言います

毎月の安定と将来の昇給・賞与を重く見るなら正社員。とにかく目先の時給を上げたいなら派遣(時給は高めに設定されやすい)。扶養の範囲で調整したいならパート。シンプルにそういう住み分けです。そして繰り返しになりますが、処遇改善による底上げは雇用形態を問わず進みつつあるので、「非正規だから稼げない」と最初から諦める理由は、以前より確実に小さくなっています。

無料の求人サポートは、"使い倒す"もの

働き方の方向が決まったら、次は求人探しです。ここで介護に特化した無料の求人サポート(人材紹介・派遣サービス)を使うと、選択肢の比較が一気にラクになります。求職者はお金を払わない仕組みなので、遠慮する理由がない。むしろ遠慮するほうがもったいない。使い倒すつもりで、3つだけコツを持っておいてください。

一つ目は、希望を具体的に言い切ること。「パートで日勤のみ」「夜勤専従で月◯回まで」と、さっきの3軸で整理した条件を最初にぶつけると、的外れな求人がごっそり減ります。二つ目は、必ず複数を並べて比べること。1社だけだと相場が分からない。売り手市場なんですから、比べる余裕はこちらにあります。三つ目、これが案外知られていないんですが、「まだ転職は決めていない、話を聞くだけ」でいい。職場の雰囲気やシフトの実態など、求人票には載らない情報を引き出す“情報収集ツール”として使うのが、いちばん賢い付き合い方です。

とはいえ、「自分の今の生活リズムや体力だったら、具体的にどの働き方からスタートすればいいの?」と一歩目で迷ってしまう方も多いはず。そこで、あなたの希望を整理するための簡単な診断を用意しました。

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最後に

介護の働き方選びは、「どれが正解か」を探すゲームではありません。自分が今いちばん守りたいものを一つ決めて、そこから逆算する——それだけで、迷いはかなり晴れます。しかも今は、求人倍率の高さ(=あなたが選べる立場)と、制度として進む待遇改善という、2つの追い風が吹いているタイミング。まずは自分の3軸を言葉にしてみて、無料のサポートで求人を並べて比べる。その一歩から始めてみてください。

参考データ(出典)
・厚生労働省「一般職業紹介状況」(有効求人倍率)
・厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」(賃金の変化)
・厚生労働省「介護職員等処遇改善加算」関連資料(2024年6月の制度一本化・加算率引き上げ)
※本文中の数値は上記公的資料に基づく概況です。金額・倍率は施設形態・地域・時期により異なります。最新の詳細は各公式資料をご確認ください。